15年ぶりのドンムアンの夜明け。
仕事納めの12月29日、仕事を終え帰宅して身支度を整えたらいざ関西空港へ。9月に就航したタイ・エアアジアXの深夜便は定刻の0:10発からほとんど遅れることなく飛び立ち、これまたほぼ4:00の定刻通りでバンコク・ドンムアン空港に到着した。いままでいくつかのLCCを利用してきたけど運がいいのかそんなものなのか、大きな遅れとかのトラブルには遭ったことがない。
バンコクのドンムアン空港は大阪で言うところの伊丹空港=大阪国際空港ということで、かなり前からバンコクにおけるメイン空港の座をスワンナプーム国際空港に譲っているんだけど、LCCのエアアジアが乗り入れたから息を吹き返しつつあるのかな?僕がバックパックを背負って行き来していたころはバンコクといえばこのドンムアン空港だった。当時も安いチケットで飛んで夜中に着いて、市バスが動き出す時間までこのドンムアンのベンチでバックパックを枕に仮眠したことが思い出される。
そんな早朝のドンムアンを離陸して約1時間で着いたのは通称 ”イサーン”と呼ばれるタイ東北部。そのイサーンの真ん中あたりに位置するのがこのコンケーンという町だ。
LCCを利用するようになって今では珍しくない地上からの搭乗や降機だけど、やっぱり間近から飛行機が見れるというのはいくつになってもわくわくするもの(笑)
昨夜に出発してバンコクで飛行機を乗り換えてようやく着いたコンケーンだけど、今回の最初の目的地はこの町ではなくて、さらにバスで2、3時間ゆられた先にあるローイエットという町だったりする。地図で見るとバンコクから見て結構東北のほう。イサーン地方の真ん中と言われていて、バンコクよりもラオス国境のほうが近い感じ。
昔にバンコクから深夜バスでラオスとの国境の町チョンメックに向かったときにも、ルート的にきっとこのロイエット近くを通過していたんだろうな。
ここからはガイドブックの類を持たない僕らには場当たり的な移動。とりあえず市内中心部にあるバスターミナルまでタクシーで移動しなきゃだけど、エアアジアでは航空券とバスのセットチケットも扱ってるらしくて、バンコク-コンケーン-ローイエット間も対象らしい。もしかしたら空港から直行するバスがないかと淡い期待も持っていたけど、インフォメーションで聞いてもまったく英語が通じなくてよく分からなかった。まあ多分そのエアアジアのセットチケットも空港からバスターミナルまでの車をチャーターするくらいなものなんだろうと想像する。なら自力でいったほうが気楽だし安いはず。
そこで空港内のタクシーカウンターでバスターミナルまでと行き先を告げると、タクシーで直接ローイエットに行くことを勧められる。金額も1000バーツ(¥3700)ちょいらしいし断然その方が早い。一緒に列に並ぶタイ人のおじさんもそう勧めてくれるが、僕らはなるべくローカルな乗物で現地の人に混じって移動したい。それが僕らの昔からの旅のスタイルだし、その過程自体が楽しい。そこで前に並ぶそのタイ人とタクシーをシェアしてバスターミナルに向かうことに♪
タクシーからは懐かしいタイの田舎の景色。ソンテウに立ち乗りする現地人を眺めながら、同乗したタイ人とタクシーの運ちゃんを交えていろいろ話す。同乗者はバンコクの人らしいけどコンケーンにオフィスがあって行き来しているのだとか。運ちゃんにはモーラムコンサートのために日本から来たとか話して、モーラムの発音を何度もダメだしされたり(笑)
そんな旅のはじめからの現地人とのふれあいが、この先の旅をより楽しいものにしてくれる予感。
同乗者とはバスターミナル近くの彼のオフィスで分かれて、タクシーはちょちょいと裏道を走るとあっという間に現地語で「ボーコーソー」というバスターミナルに。いくつかあるチケット売場を聞いて回ってローイエットまでのバスチケットをゲット。バスが出るまではしばらくあるので周辺散策でもしてみる。
コンケーンのバスターミナルはネット情報によるとややこしいことに3つあるらしい。一般ターミナル(ノンエアコンターミナル?)は主にタイ東北部のイサーン地方各地を結ぶ路線用、エアコンバスターミナルはバンコクやチェンマイなどの遠方を中心にノンストップ路線に使われているとか。そしてさらに市内の渋滞を避けて郊外に3つ目のバスターミナルがすでに出来ていて、少しづつそちらのターミナル利用となっていってるらしい。なんともややこしい話で......
今回はイサーン地方間での移動なので、おそらく一般ターミナルということになるんだろうけど、実は自分がどちらにいるのかよく分かってなかったりする(笑)
人と物と車両がひっきりなしに出入りするバスターミナル。なんか旅気分♪
タイといえばこのソンテウという小型トラックを改造した乗り合いバスがなんとも絵になって好きだな。安全性とか考えたら日本ではありえない乗り物なんだろうけど、これの荷台外のステップで立ち乗りすると気分爽快なんだな~♪
これはより大型のトラックを利用したソンテウ。乗客がいっぱいになるのを待ってる。
トゥクトゥクといえばこの形。これもタイらしくて絵になる乗り物だけど、コンケーンのトゥクトゥクはまだこの形だった。
というのもイサーンの田舎になるとトゥクトゥクもこんな形のものが主流に。前に行ったノンカーイなんかもそうだった。バンコクやチェンマイなんかでおなじみの普通に思い浮かべるトゥクトゥクなんかとは形が違ってて、なんかバイクのケンタウルスの出来損ないみたいでかっこ悪い(笑)
そんな野暮ったさもまた田舎っぽくて好きなんだけどね(笑)
久しぶりの田舎のバスターミナルの雰囲気を楽しんでいると、そろそろバスの出発となった。このピンクのバスでローイエット目指して出発!
ソンテウの車列につづいて走り出すわがバスはエアコンバス。もともとノンエアコンターミナルと呼ばれているこの近郊用ターミナルだけど、時代なのか昔なつかしのノンエアコンバスは見かけなかったような。ちょっと寂しい感じ。
車窓からは裸足で歩くお坊さん。
タイはほんとどこに行ってもお坊さんがいて不思議。この服装の色にはなにか意味があるんだろうね。
こんな感じであまり変化のない景色の中を快調に飛ばすバスは、途中いくつかの町のバスターミナルを経由する。そして町と町との間はたまの集落で人の乗り降りがあったりで、なんにもないイサーンの景色の中にも牛がいたり、物売り小屋がつづいたりでけっこう飽きない。
このあたりは物売り小屋がつづく。売り子のおばさんたちの日焼け対策?がもうハンパないかんじ(笑)
みんなのんびりと買い手を待つ感じがなんかいい感じ。
日がな一日のんびりと、イサーンタイムが流れてる。
そうこうしてもうすぐお昼になろうというころ、ローイエットの標識が現れた。
久しぶりの信号待ちでは車のミラー用の小さなプアン・マーライを売り歩くおじさんが。タイを走る車の多くがバックミラーにぶら下げてる花飾りのお守りなんだけど、あれっていいね。いろんなところの屋台なんかで売ってるのをよく見かけるけど、生花が身近なのって心が豊かなのかなんなのか........そういう文化がちょっとうらやましかったり。
このバスにももちろんプアン・マーライが♪ 交通量も増えてきて、どうやらローイエットの中心部に近づいてるみたい。
到着したローイエットのバスターミナルは中心部から少しはなれたところ。このままホテルに行ってもよかったんだけど、ちょうどお昼時なのでここでランチを済ませようということに。
周りを見渡すと、ターミナルの向かいに食堂らしき建物が。
現地の人が食べてるおいしそうなのを指差して、久々のタイ飯をかっこんでごきげん♪
タイといえば人も犬も猫もだらーりとマッタリしている。この猫も例外でなく涼しい日陰の食堂で、ひんやりした床にべたーって(笑)
日本と違ってあんまり人間を警戒することもなく、飼い猫なのかノラなのか、犬でも猫でもなんでもペットに首輪とひもをつけるようなことをほとんどしないタイではそのへんよく分からない。
さて、バスターミナルで翌日朝のバンコク行きの時間を確認したら、トゥクトゥクでホテルまで。ホテル名のタイ語表記が無くて客待ちの運ちゃんたちになかなか伝わらず、次から次へと運ちゃん大集合してあーだこーだ(笑)タブレットで地図とホテルの外観写真を見せながらやっと知ってるという運ちゃん見つけて。
昨日の20時半に自宅を出発してやっと着いた今晩の宿は
The Capital Hotel。
タイということで着いてから適当なゲストハウスに泊まればいいと思ってたんだけど、イサーン地方は見所に乏しく旅行者が少なくて、同じ田舎の北タイなんかと比べるとそういう安宿がほとんどないみたい。今回は短い旅なので効率優先でネットでホテルを予約しておいたんだけど、おかげでどんだけぶりかでこんな綺麗な部屋に泊まれることに。
円安が進んでほとんど1ドル120円というのにこれで1泊1部屋2000円弱とはありがたい。でも以前のレートなら1500円しないわけで、急激な円安を恨みつつそれでも満足な今夜の寝床。
バルコニーから眺める景色は高いビルがほとんどない。
ホテルを出るとすぐにメインストリートが。フロントのとにかく笑顔で愛想のいいイサーン娘たちにこの町にやってきた目的の、今夜のモーラムコンサートの告知案内をタブレットで見せて、地図をもらって会場の場所なんかを教えてもらう。日本人がモーラムを見に来たことが珍しいらしく、ノリノリで教えてくれる。
僕が大好きなモーラムはタイ東北部イサーン地方やラオスの音楽で、それをベースにアップテンポなダンスミュージックに仕上げたのがラムシン。ホテル内のカフェからはそのラムシンが鳴り響いてきて、僕が「ラムシン、ラムシン!」ってそっちを指差すとラムシン分かるの?って感じでみんなうれしそうに「そうそう、ミャーウ ミャーウ ミャーウ!」って歌いだす♪
ホテル前のメインストリートに出ると、そこはもうすでに屋台街のはずれ。
道路向こうのピックアップには年末年始のコンサート告知が。タイ各地でこういったコンサートが年末年始に繰り広げられるようで、今回この日程で旅行できたのは本当にラッキーだった。
イサーン人ウォッチングしながらメインストリートぶらぶらを開始。
このカップル、くまのぷーさんでペアルックなんて可愛いね~
タイではノーヘル定員無制限がデフォルト(笑)
でも大人4人乗車となると、それなりに工夫も必要みたい(笑)
大規模な露天街の入口にもコンサート告知が。このあたりで間違いないよ!
屋台街に入るなりあちこちからいいにおいが........(^^;
屋台の隙間からはお堀が見える。チェンマイもそうだったけど、タイにはお堀で囲われた街が多いのかな?
とにかく昼間っから人が多くて賑わったてたけど、本来このあたりはナイトマーケットなんじゃないのかな?
海賊版CDの屋台でルークトゥン・モーラムのCDやDVDを物色。10枚ほど選んで売り子のにいちゃんに持ってくと、なにやらめっちゃウケてるし........(^^;
外人が数あるジャンルの中からなんでルークトゥン・モーラムだけ選んで買うのかが不思議らしい(笑)
これは楽しいわ!
とにかく密度濃くお店が並んでて楽しいこと!
屋台街を進むと突然遊園地エリア?
なかなかの大仕掛け。
観覧車まであるよ!
これはどうやらビンゴゲームみたい。
楽しそうな親子もカメラを向けるとポーズとってくれるし♪
ゲームの景品はドラえもんとか........
もはや屋台の域を超えた乗り物が........
なんと、ジェットコースターまであるよ........もはや遊園地........(^^;マイッタ
そんな屋台街を抜けたら立派な建物が。今夜のコンサート会場はCITY HALL前広場との情報だったけど、これが市庁舎?
もしやと後ろの広場をのぞいてみると........
楽団のトラック発見~
ステージ設営してる~ ビンゴ!
設営の人たちに「これはモーラムなのか?」と聞いてみたら、「ノー モーラム、 モーラムモー!モーラムモー!」と繰り返し言ってたけど、モーラムモーってどういう意味なんだろう?
今夜のステージの楽団「
ラッタナシン・インタータイラート」
まさに現代の旅芸人一座って感じで、こんなトラックが4台駐車されていた。このトラックでステージと歌手やダンサー乗せてイサーンの各地を興行して回るのだろう。イサーンにはこんなスタイルの楽団?一座?がまだいくつもあるのだとか........
まさにこんなのがずっと前から見てみたかった。
まさか本当にイサーンの地で見れるなんて夢のような........本当に夜が待ち遠しいこと♪
つづく